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適応障害の治療目的で約3年にわたって心療内科に通院していた私は、当時医師の診察以外に「カウンセリング」を受けていました。
メンタル疾患は、薬を飲んで治すわけではありません。薬はあくまで対症療法。今ある症状を緩和するだけのものです。
見て見ぬ振りもせず、正面から全て真に受けるわけでもなく、尽きないストレスとうまく付き合う心構えを作っていくこと。
その心強いサポートとなるのが「カウンセリング」です。
今回は、3年近くカウンセリングを受けてきた私が、聞けてよかった「カウンセリング金言」をご紹介します。
そこから得た休職中の過ごし方や、気づいたことを書いていきます。
当時のカウンセリング状況
人生初のカウンセリングは「ビミョー」だった
まずは、私のカウンセリングについて少しお話しましょう。
実は、本当に一番最初にメンタルクリニックにかかったときにはまだ「適応障害」とは言われず。
ちょっとリラックスする薬(何か言い方が違法っぽいけど、ちゃんと合法です笑)を出された程度でした。
その時に「一度愚痴を言う程度のつもりでカウンセリングを受けてみたらどうか」と医師に勧められ、
軽い気持ちで受けたのが人生初。
正直、愚痴を言う気にもならなかった
初回カウンセリングの担当は年配女性の心理士さんでしたが、正直ビミョーでした。
当時自分の中で気になっていることや仕事の不満などを話してみたものの、静かに相槌をうってくれるだけ。
本当にそれだけだったんですね。
金額に見合った価値が感じられずに終了
この程度の愚痴なら、わざわざお金を払ってまで他人に話す必要もない。
ストレスが軽くなるどころか、余計にイラッとして帰ったのを覚えています。
まぁ、今思えば抑うつ状態で、イライラしやすかったのもあるんでしょうけどね・・。
とはいえ、カウンセリングなんてちょっとお高めのお悩み相談なんだと思って、もう受けることはないと思っていました。
診断後に受けたカウンセリングは衝撃の連続
正式に適応障害の診断を受け、抗うつ薬や抗不安薬の内服をしながら本格的な治療が始まったとき、やはりカウンセリングを勧められました。
この前ビミョーだったのは、まだ病気だと思ってなかったからかもしれない。
仕事にも行けなくなり、通院も死にものぐるいで頑張らないと来れないようになって、すっかり弱気になっていた私は素直に「受けます」と答えました。
「相性」という要素の重要さを痛感する
今度は男性の心理士さん。クリニックでは唯一の男性心理士さんみたいでした。
男性ならではなのかもしれませんが、割と明解にズバッと言ってくれる。
もちろん否定なんてされません。今の自分のことを、客観的な立場から見てハッキリ伝えてくれるのが心地よかったです。
女性は何となく、奥歯にものが挟まったような、何か遠慮がちに言ってくるような感じだった気がします。
雰囲気の柔らかさはいいんですが、その分受け答えや物言いもソフトすぎて、私には性に合わなかったのかもしれません。
何をやってもイマイチ自信がない、というか何をどうしたらいいか分からない段階だった私には、方法論で論理的に説明してくれる男性の方が良かったんでしょうね。
自分の人付き合いの癖に気づくきっかけにもなった
私自身が女性との付き合いより、男性とのサッパリした付き合いの方が得意だったのもあるでしょう。
もともと女とつるむのが苦手な一匹狼タイプ。
自分も女ですが、変な派閥作りとか、くだらないことにエネルギーを使うのはまっぴらごめんでした。
そんなひねくれた性格もあり、男性の方がぴったりハマったというわけですね。
この男性心理士さんに出会ったことで数々のアドバイスをいただき、今ではすっかり回復しました。
元気になった今でも、あの頃にかけていただいた言葉を思い出しながら生きています。
休職中の過ごし方
育休以外で初めての長期休みになってしまった私。
復帰のめどが絶たないどころか、日常生活すら危うい日々。どうしていいか分からない私に響いた言葉は。
何の役にも立たないことをやろう
「休んでいる間は、何をすればいいんですか?」と聞いて返ってきた言葉。
体調が良くなってきたらやろうと思っていたことはありました。
今まで知ったかぶりしていた疾患や治療について勉強しようとか、心配かけた家族のために料理やお菓子作りをさらに勉強してみようとか。
「時間があるんだから、回復したら何かしなきゃいけない」と思っていました。
個人的には、かなり前向きで有意義な計画だと思っていましたが。
それは「仕事のため」「家族のため」と、何かしらの目的があってやること。
本当の意味でこころを休めることにはならない。
「いずれ何かの役に立つこと」ではなく、「自分の楽しみにしかならない、何の役にも立たないこと・好きなこと」だけやろう。
そんなこと、病気になる以前から一度も考えたことありませんでした。
なので、当然何をやったらいいか分からず、しばらく悩みました。
自分だけしか得をしないことなんてやったことなかったし、社会人・妻・母としてそんな事をするのは許されないと思ってきたから。
そんな中で編み出した過ごし方は後ほど具体的に書きますが、とにかく自分のためだけに時間を使うことが大事なようです。
眠るためのルーティンを作るのは素晴らしい
適応障害になってとにかくキツかったのが「不眠」「睡眠障害」でした。
寝付きが悪い上、ウトウトしたと思ったら起きる。少し寝られたと思っても、時計を見たら30分か1時間程度しか経ってない。
連日そんなだったので、昼間も起きていられず。変な時間に寝てしまうので、また夜に寝られないという悪循環。
何とかして夜に寝られるようにしたいと思い、睡眠導入剤と一緒にアイマスクを付けるようにしました。
よくドラッグストアで売ってる「蒸気でホットアイマスク」ってやつです。
当時勤めていた病院での仕事はカルテ入力が業務の大半で、パソコンに向かう時間が圧倒的に長かった関係上、疲れ目は気になっていました。
アロマの香りも数種類あり、気分に合わせて選べるのもポイント高し。目元がしっかりあったまるので、寝る前のリフレッシュとして活用していました。
ラベンダーやカモミールは気分が落ち着く香りなので、布団に入ってから付けることで少しは寝やすくなるかな~っと思って始めてみたんですね。
それをカウンセリングで話してみたところ、とっても褒められました。
自分では大したことないと思っていましたが、予想外に褒められたので嬉しかったのを覚えています。
「寝るために自分で創意工夫をしてみたことがまず素晴らしい」。
何かを解決するため自発的に考えたこと、それを実行したことがとても大きい一歩。それも、自分の体調に関してのことであり、他の誰かのためではないことが大きい。
アイマスクを買っただけで、ものすごい賛辞をいただきました(笑)。
でも、そんな小さなことでも自分のためにやってあげられたということが大事だったんですね。
今まで、いかに自分が自分をないがしろにしていたか痛感しました。
人に傷つけられたこともたくさんあったけど、自分で自分を守ってやらなかった部分もあったのかもしれませんね。
あなたは「〇〇でなきゃいけない」がいつも隠れている
寝る前にアイマスクを使いますが、なかなか寝付けなくてあったかいのが冷めてしまったときや夜中に起きてしまったときに備えて、いつももう1枚枕元に置いてありました。
1枚で寝られたらOK、2枚使ったらイマイチ寝られなかったんだな~っと、自分の中での目安にしていたことを話したんです。
そうしたら心理士さんに「別に2枚使ってもいいんじゃない?」と言われたんですね。そして。
「『1枚で寝られなかったらダメだ』と思い込んでない?
全然ダメじゃないよ。
もしかしたら、行動の一つ一つに理想的な想定があって、その通りに行かないと道を外れた気がして不安になるんじゃないかな?」
本当にその通り。
仕事でも家庭でも段取りをしっかり立てて行動していました。更に言えば、当初の予定から外れた場合の対処法まで考えていたくらい。
それが自分のペースだと思っていましたし、そのおかげで今まで成功してきました。割と自信のある生き方でしたが、知らないうちに自分を追い詰めていたのかもしれませんね。
アイマスクの件でそれが露呈しました。
この事を言われてからは、あまり緻密に考えないようにしました。
ざっくり計画を立てて、思うようにならなかったとしてもそれはそれでOKという程度の想定にしています。
仕事ではなかなかそこまでテキトーになれませんでしたが、少なくとも家では以前よりのんびりできるようになりましたね。
こう見ると、私の気づきはほとんどがアイマスクから得られていますね(笑)。恐るべし。
実際に休職中にやった3つのこと
じゃ、実際にやっていたのは何か?
大人の塗り絵
悩んだ末にやりだしたのが「大人の塗り絵」でした。
風景画は難しいので、「マンダラ」というインド発の幾何学模様の塗り絵です。
左右対称の図柄を自分の好きなように塗っていきます。お手本はなく、気の赴くままに色を選んで塗っていくので無心で楽しめます。
出来上がって初めて全貌が明らかになるので、完成したときの達成感がハンパないです。
手は腱鞘炎になりますけどね(笑)。そのくらいハマりました。
こういうの。色鉛筆で枠線の中を自由に塗っていきます。
もっと細かいのもありますよ。気が遠くなりそうなやつ(笑)。
ハッキリいって何の役にも立ちません。私が好きでやってるだけです。
でも、塗り絵を始めてからは気持ちが落ち着くようになり、長時間机に向かっていることも増えました。
私にとっては効果があったようです。
ちなみに、ハマりすぎて回復した今でもやっています。
散歩
塗り絵にどハマりして1日中塗っていると、トイレと食事の準備以外は全く動かない日が増えました。
そうなると頭痛やら腰痛やらが出てきてあまりよろしくない。
ということで、ちょっとだけでも外の空気を吸うために始めました。
日光を浴びることで体内のサイクルも整うので良さそうです。メンタルを整える栄養にも好影響です。
こちらの記事で詳しく書いています。
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ただ、私は目的もなく出歩くのが嫌いなので、買い物を小分けにして毎日ドラッグストアやらスーパーやらに行きました。
行くたびに不必要なものを買わないように、優先順位が高いものから数品だけ買って帰ってくるわけですね。
映画を見る
もともと休日に子どもたちに見せるために「Disney+(ディズニー・プラス)」という月額サービスを使っていました。
我が家は無類のディズニー好き。ランドとシーには毎年行きます。
泊まりなら年1回で豪遊し、日帰りなら年2~3回ほど。年間のディズニー予算は軽く30万超え。
昔のクラシックな映画から最新のものまで。映画館になかなか行かないので、テレビで放映されないと見る機会そのものが少なかったからです。
なので、これを機に見てみようと思ってとにかくディズニー映画を見まくりました。
有名な映画でも意外と細かいストーリーを知らなかったり、ランドやシーで見かけたキャラクターを後から映画で知ったり。
一人でクスッと笑い、時には大泣きし、感情を取り戻していくような感覚。とても良い時間でした。
最近はサブスクの動画コンテンツが充実しているので、とってもオススメの過ごし方です。
ダイヤモンドアート
正確にいうと、これは休職期間中はやっていなかったものです。
ごく最近(2024年になってから)始めたもので、「これは休職中にあったら無限にやってたな!」と思ったので追加しています。
ダイヤモンドアートとは、粘着のついた台紙にひたすらビーズを貼って絵を仕上げていく、海外で人気の次世代アートです。
各色のビーズを貼る位置はすべて指定されているので、その通りに貼っていくだけで誰でも作れます!
ビーズが大きめですき間が多く、初心者にはぴったり!専用グッズの扱い方を覚えるのにも適しています。
大人の塗り絵と同じく、とにかく没頭できるものが欲しい方、細かい作業をコツコツやるのが好きな方におすすめですよ。
慣れてくると、大型の風景画なども作れるので、お部屋の雰囲気を心機一転変えたい方もチェックしてみてください。
まとめ
休職中に何をしたらいいか、結構悩むところではないでしょうか?
休みに入った当初はネットで調べてみても、何かイマイチよくわからない。
ただボーッとしてるのもなぁ・・と思っているとき、私は運良くカウンセリングで答えを得ることができました。
人によって効果的な過ごし方は違いますし、体調の波によっては何もできない日もあるはず。
それでも、私がここまで回復してきたのは「自分に合った休み方」を見つけられたからだと思います。
答えが見つかるまで、今までできなかったことや我慢していたことに挑戦してみたらどうでしょうか?